ボディ補強について考える
 
  皆さんにとって“ボディ補強”ってどのような扱いですか?
“競技車なら当たり前” “興味はあるけど良く分からない”等々・・・私はどちらかと言うと後者でした。もちろん補強済みの競技車にも乗った事がありますが、これらは全て購入時には既に補強が施されてある車ばかりでしたし、乗換え時には全く異なる車両に乗り換える事がほとんどでしたので(例えばギャランからインプレッサ、インプレッサからランサー)比較対照が異なると言う意味で補強の必要性にピンときませんでした。
しかし、幸か不幸か(いや、確実に不幸ですが)今年用に用意していたエボ3を早々に転がした事により、短期間で2台のエボを乗り継ぐ事が出来、ボディ補強の重要性/必要性をヒシヒシと感じましたので、ここでその体験をご紹介したいと思います。
  さてまずエボ3の方ですが、こちらは過去に転倒経験がある、との事でしたが、前(前々?)オーナーがきっちり直してくれており、その上、ボディ各所にはスポット増し、A、Bピラーにはピラー止めが施されておりました。土系競技車特有のストラット上部の当て板補強及びリアのアッパーリンクボディ側の補強など基本事項はもちろんカバーしてありました。ロールバーはダッシュ貫通の15点式で前席サイドは2段になっていました。写真がないのが残念ですが、見た目とは裏腹にやるべき事は一通りやってある車でした。
対して急遽用意したエボ2(今年の本番車)の方は、前述基本事項であるストラット上部の当て板補強とアッパーリンクの補強はしてあるものの、あとは何もしてありませんでした。後に気がついたのですが、ドア廻りのスポット増しはやってありましたが。ロールバーはダッシュ逃げの12点式でピラー止めはBのみです。
 ところで何をもってボディ補強の必要性をヒシヒシと感じたかについてまだ説明してありませんでしたね。転がしたエボ3には別タンク式ショックアブソーバーが装着されており、リアデフも転がる直前にオーバーホールしておりましたので、単純に移植できるものは移植しよう、と言う事でエボ2の方に移植をしました。もちろんブレーキなどもです。これで元通り!と思ったのもつかの間、一般道路を走っていても何かが違う感じがします。“何が?”と聞かれても明確にはお答え出来ないのですが、明らかに何かが違います。そこでダートに持っていってみたのですが、やはり違います。スプリングも減衰力も何もいじっていない前のままなのに明らかにアンダー・オーバーの挙動が極端で、車が前に進んでいないような気もします。ここまでくるとさすがの私でも“あれれ?”と思い、BODY FACTORY ACTIONの小山さんに相談をしてみました。しかし車を見ただけでは的確な判断が出来ない、と言う事で同乗して頂けるチャンスを待っていたら、割と早く乗って頂く事が出来ました。数週走った後にコメントをお聞きしたところ、“ボディ全体のよじれを強く感じる”と言う事でした。なるほど、ボディがよじれればドライバーが起こしたアクションに対しても車の反応が遅れますし、ボディそのものがサスペンションのような働きをしますので、サスペンションが縮み、ボディを伝い、ボディがよじれる限界まできてから一気に挙動が変化するからアンダー・オーバーが極端になると。と言う事で問題点は理解出来ました。もちろんエボ3の方もベストの状態であったとは言い切れませんが、私でも明らかな違いを感じる、と言う事はやはりエボ2の方が相対的にボディ剛性が低いと考えるのが自然かと(一般論としてエボ2のボディ剛性がエボ3に劣る、と言う意味ではありません。念のため)。ではどう対処するか?です。古い車ですが私の本番車ですので、出来ればある程度成績の残せる車にしたいです。でも年式も年式ですので極端にお金をかける気もしません。と言う無理なご相談をしたところ、“ではとにかくボディのよじれを無くしましょう”という結論に至りました。と言う事で人生初めての自らの手で施すボディ補強に着手する事になりました。つづく
ボディ補強に関してBODY FACTORY ACTIONの小山さんにお話しを伺いました。